「あれ、リナちゃん?隼人んところ行かないの?」
不意に後ろから声がして振り向くと、そこには柳隆史(ヤナギ タカシ)先輩が立っていた。
柳先輩も神崎先輩みたいにイケメンで、学校で人気がある。気さくで話しやすい先輩。
「行きたいんですけど、話しかけにくくて…。今日も柳先輩が呼んでもらえませんか?」
神崎先輩が柳先輩といる時は声をかけられるんだけど、今日は女の先輩たちと話してる。
私が近付こうとするとその先輩たちが睨んでくるから、神崎先輩の側に行けないんだよね。
「おっけー!いま呼ぶからね。」
爽やかな笑顔でそう答える先輩。
「ありがとうございます」
私はペコリと頭を下げた。
柳先輩にはいつもこの事を頼んじゃうから、申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。


