放課後、カップル達は手を繋いだり、二人乗りしたりして仲良く帰って行く。
もちろんその中には美空と園部くんもいる。
『幸せそう...。』
むなしい気持ちと羨ましい気持ちが混じりあった変な気持ちだった。
いつかきっと自分にもこんな日が来るのかな?
そんなことを思いながら私は一人で帰った。
いつもならすぐ帰る一人の下校がなんだか今日は寂しくて、近くのカフェに寄った。
別にお腹がすいてる訳でもなく、喉が渇いてる訳でもないのに、
私はパンとコーヒーを買ってぼ~っとしてた。
「あの、相席良いですか?」
驚いて振り向くと、
そこにはあの人が笑いながら立っていた。
「え…、どうしたの?」
「外から見えたから!
邪魔だった?」
「いや…
別に一人だから大丈夫だけど。」
「そっか、よかった!」
「有山くん帰り道こっちなの?」
「龍でいいよ、龍!」
「あ、うん。」
「違うよ~。全く逆!」
「じゃなんで?」
「心が寂しかったので。」
うわっ、微妙に被った。
「なにそれっ、意味分かんないよ~。」
