彼女の本能





逢「さっき会議用のファイルにはさまってんの見つけたんだ

結局あの時渡してなかっただろ?」








そう言った逢ニくんの手にはラブレターがあった



手紙には
【屋上の君へ】
と書かれていた






逢「…ラブレターせっかくだから読んでやるよ」






気がつけばわたしは今出せる最大の声で叫んでた…





棗「っい…
いい!やめてっ!!」


――なんでっ




逢「そー照れんなって
恥かしーなら後ろ向いてな?」




なんで今さら…っ









逢ニくんは嬉しそうに手紙を読みだした




―忘れてたのに…
忘れてたのにっ







ラブレターのことなんて








逢ニくんを騙してることなんて…っ!!!






知らないっ
聞かないっ





好きなんだもん…
好きなんだもんっ








わたしは目をぎゅっと瞑る耳もふさいだ













側にいたいの…