彼女の本能




ドアに手をかけ部屋を出ようとしたとき






棗「え…」


逢ニくんに後ろから抱き締められていた



逢「…お前はくだらないって思うかもしんねーけど
どんな理由でも好きって気持ちに変わりはねーんだよ」




棗「逢ニく…」

わたしの言葉を遮り逢ニくんは喋り続けた


逢「お前を傷つけたやつなんか忘れちまえって…
言ってなにが悪い?」





―――逢ニくん…


自然と涙がでてきた…



棗「あっ…あい、じくん…っ
わたし…ごめっ」



逢ニくんはわたしの顔に手をかぶせた


逢「…もう泣くな






涙似合わねーよ」




そう言った逢ニくんはどこか悲しげでわたしと一緒に泣いてくれてるようだった―…







――そんなこと言われたら…


余計に涙とまらないよ…