「栄の趣味だよ。」
これ、栄さんの趣味!?
栄さんっていつでもどこでも真っ黒な服きててかわいいとは縁遠いイメージがあったけど…なにこれ。
いくつかのタブがあってそのなかの『おはなし』とかかれたところに『new!』と新新着を知らせるメッセージがあった。
タブをクリック。
すると…
『ここでははじめまして☆このソフト(っていうかソフト型HPなんだけど)にようこそ!ここは管理人亜麻那と24時間体制で通信が行える場所だよ♪お話したいときはこの『お話し』のページの右上にある吹き出しをクリックしてね!』
…。
えーと。
「はよ、返事だしたりぃや。栄ちゃん待っとるやろ」
佐藤さんがふくれっ面でそういった。
いや、しかし…
「普通に返してやればいいんだよ。」
「はぁ…。」
俺は吹き出しをクリックした。
えぇっと
『亜麻那さん、ありがとうございます。今度から話したいときにはこれでいいんでしょうか?』
送信。
するとすぐに返事がきた。
『もぅ~栄でええっちゅうに☆』
イラッ
なにこのキャラ。
っていうか亜麻那って言い出したのあなたでしょうが!
「部長、栄さんのキャラが…。」
「最初は普通の女の子っぽい感じだったんだけど…ほら。」
部長がマウスを手にとって他の人との会話履歴をだした。
「うわ、佐藤さんばっかり。」
「…それで変な口調がうつっていっちゃってな。」
「そうなんですか…。」
っていうか栄さん、佐藤さんのこと満更でもないんだ…。
「それもらったってことは、栄に信頼を寄せてもらったって意味だから誇りに思っていいぞ。」
信頼、か…。
俺はこのチームで商品を作ることができるのだろうか。
少し不安になった。
