全員の視線が俺に集まる。

「あぁ、あれなぁ…。」

「無駄なんだよ。」

「え?」

部長がいいにくそうにしている佐藤さんを遮っていった。

「それ、月島の前では絶対にいうなよ。」

「なんで。」

「なんでも。」

いつになく真剣な眼差し。

「…とにかく、俺たちは自分達で企画しようがしまいがそれが通ることはない。自分の商品なんて、つくれねぇんだ。」

つくれない…?
部長の言葉が妙に引っかかった。

がちゃりと扉が開いて月島さんが帰ってきた。

「コピー機のよぉ、紙、つまってんだけど。知憲、ちょっと手伝ってくれねーか。」

「おー、わかった。」

「やったぁ!これで栄ちゃん独り占めやわぁ~。」

「栄に手を出すのはおまえくらいだから安心しろよ。」

「ひどいわーのりさん。」

そういうと月島さんのあとについていった。

「結城。自分で確かめてみろ。」

部長はオフィスをでた。