化学で電子で不思議な彼女

「赤外線、できる?」

「…え!?交換してくれるの!?」

「…ん…。」

川村は赤外線画面を起動して、私にスマホを渡してきました。

「…勝手にやって、終わったら返して。」

そう言うと、川村は読みかけの本に再び目を落としました。

「…本当にいいの?」

「…いいってば。」

じゃあ勝手にやらせてもらいますね。

ピピッとメアドを交換。

私、パソコンとか、そういう機械系のことだったら凄く得意なんですよ。

「…はい、おしまい。…今日早速メールするね。」

「…いや別にいいし。」

川村はそう言うと、私の手からスマホを抜き取りました。

「あと…それとさ…。」

「何?」

「人の前であんまり仲良さげに話しかけてこないで。」

「…え?」