化学で電子で不思議な彼女

ダメだ。

…ヤバい…かも。

まぶたが落ちかけたその時、首にかけられていた力が抜けた。

床に倒れこみ、げほげほとむせ返る。

「ハハハハ!!!!ざまあねえな!佑樹!!!!」

「…っ…。」

佑樹、とは俺の兄貴の名前。

こいつ、完全に俺と兄貴を重ねてる。

違う…。

俺は違う…。

兄貴じゃない…。

倒れ込んでいる俺の背中に、リーダー格の奴が思い切り蹴りを入れてきた。

「…行くぞ、お前ら…。」

その声と共に、ヤンキー達が倉庫を出ていく。

去り際に浴びせられる罵声。

…しばらくしてあたりが静まり返ると、俺はゆっくりと立ち上がった。

「…っ…。」

体育館倉庫を出ると、外は少し暗くなり始めていた。