化学で電子で不思議な彼女

でも、苦しい、ですよ。

佐野君も、なんで、あんなこと言ってくれたんだろう。

知らないでいた方が、まだ、楽だったかも…なぁ。

でも、もしかしたら…そんな風には見えないけど、佐野君が嘘、ついてるかも、ですし。

歩き出した江崎君の後ろに着いて階段を上ってゆく。

…いつもは楽な二階までの階段が、今日はすごいキツい。

もう、やだ。

大声で泣いちゃいたいなあ。

と、二階までの階段を登りきった時だった。


「…っ…え…。」

私の目に飛び込んできたのは、廊下で女の子がハグしてる川村の姿。

女の子は私に気づいて、少し焦った様子だったけど、すぐにまた川村の胸に顔をうずめた。

私の目の前を歩いていた江崎君も、気まずそうにしてます。

あぁ、まさしく、これが、『修羅場』ってやつですね…。

川村と目が合う。

けれど、川村は伏せ目がちになって、またすぐに目をそらしました。

川村が女の子の肩を押し返すと、女の子は私の方を見て軽く会釈をするとパタパタとどこかへ走り去っていきました。


ギリギリと胸のあたりが締め付けられるような感覚に陥る。