化学で電子で不思議な彼女

江崎君は少し険しい顔をして、

「もしかしてさぁ…川村?」

と言ってきました。

「ちがっ、川村は何も」

「あーそーいや、喧嘩してたねえ。王子役降りるとかなんとか。あいつも素直じゃないよなー。それで、関係がギクシャクしちゃってって事?」

…あー、もう全て見透かされてる。

まあそれ以上に色々あったんですけどね。

「…あいつ、昔から天邪鬼なんだよなー、素直になれないっていうか。でも、川村…絶対沢嶋さんと仲直りしたいって思ってるって。」

ズキン、と胸が疼いた。

違う、んだよ、江崎君。

川村にはもう、私以外の人が、いるんだよ。

「…そ、っか。」

何とか掠れた声を出す。

ああ、ヤバい、また泣きそう。

「あ…ごめん、余計なこと言った?」

「…ううん、違うんだ。」

嫌だ、ひどい泣き顔なんて見せたくない。

恥ずかしいもん。