化学で電子で不思議な彼女

「…泣かないでよ。」

泣かずにいられますか。

「…嘘…だ…。」

「ううん、本当。」

佐野君を見ると、真剣な顔をしてて。

嘘付きって言いたいのに。

嘘をついてるように思えなくて。

あぁ、本当なのかも、って。

「証拠…はっ…?」

「…ごめん、写真とかは、取れてないけど、でも、本当、本当に見た。…やっぱり証拠がないと…信じて、もらえないのかな。」

その佐野君の表情から、嘘をついてる様子は全く伺えなくて。


喧嘩…しちゃったから、なんですかね。

私にうんざりしちゃったのかな?

「…ねぇ、俺…沢嶋さんの事、守りたい。逆に、沢嶋さんをこんなに泣かせてる川村が許せない。…だから…さっき、あんな風に言った。迷惑…かな?」

私が無言でいると佐野君は一気にまくし立てるように

「ねえ、なんで俺じゃダメなの?川村に裏切られたって知っても、まだ川村が好き!?」

と言ってきた。

ぽた、と涙が頬を伝って床へ落ちた。

「…ごめん…もう…いいかなあ…?」

私は必死に声を絞り出しました。