「…何その曖昧な返事。」

「…ああ、ごめんね、…うん、私は、好きだよ。川村の事。」

「…川村は沢嶋さんのこと嫌いなの?…ああ、ごめん…喧嘩、したんだっけ?」

忘れてた。と佐野君は申し訳なさそうに言いました。

「…私が悪いんだけどね、意地張っちゃって、私からごめんなさいしてればよかったのにね。…あぁ、ごめんね、嫌な話して。」

「全然。むしろ悩み相談してくれてありがとうって感じ。」

いや、相談したつもりはないんですけどね。
私が立ち上がると、急に腕を引かれた。

「…な、佐野君?」

「…沢嶋さん…。」

ちょっと熱っぽい目をした佐野君とがっちり目が合う。

あれ。

これなんだかすごく最上級に危険な感じがするんですけど。

「…あの、放し」

「好きなんだけど。」

「は?」

何が?

「…沢嶋さんの事、好きなんだけど。」

私の事好きなの。

へーそうなんですかってええええええええええええええええええええええ!?

「と、とーとつ、だね。」

…いや、あの、いくら相手を好きじゃなくても『好き』って言われたら照れるじゃないですか。