化学で電子で不思議な彼女

「…っ…!!!!!」

俺は手に持っていたスポーツドリンクを思い切り握り締めた。

ぐしゃりという歪な音がして、キャップが弾け飛ぶ。

中身が床にバシャバシャと溢れ出した。

…俺はどうしたらいい…?

「…ごめん、沢嶋…本当…ごめん……。」

今更言っても遅せぇっていうのは自分でも分かってんだよ。

でも、こうでもしねえと罪悪感に潰されそうなんだ。

その時だった

『…日娘を泣かせたね…?』

「っ…!?」

ぞくっと背中に寒気が走った。

何だ。今の声。ひた、ひた、と素足で床を歩くような音がして後ろを振り返る。

そこには沢嶋に顔がそっくりな、でもどこか違う、ゾッとするような笑顔を浮かべるチビが立っていた。

なんだ、こいつ。明らかに幼稚園性みたいな、まだ幼い感じ。

不気味うねった蛇のようなロングヘアーに、目は赤く虚ろで、この世のものじゃない、そんな表現がふさわしい感じ。

『…君かぁ、最近日娘をおかしくしてるのは…。』

「…お前…何…?」

『…ボク…?ボクは、正直な、嘘偽りのない日娘だよ…?』

「…は…ぁっ?」

意味分かんねえし。