side修也

…どうなってんだ。

沢嶋

目の前にはぶすくれた顔の沢嶋。

その横には心配そうに俺たちを見つめる新田。

「…ちょっ、と、ねえ、沢嶋さん、主役降りるって、何で?」

新田がオロオロとした様子で沢嶋に言う。

「うん。ごめんね。でも、私やっぱ川村が相手なんて嫌だから降りる。てなわけで川村!他の女の子探してよね!!!!!」

…は?

意味分かんねえ。

「…何なの急に。」

俺が言うと、沢嶋はギロッと俺を睨んできた。

「自分で考えなよ!ばーか!!!!」

お前よりは遥かに頭良いわバーカ。

沢嶋は相変わらずの瞬足でダーッと教室を駆け出していった。

「…な、何があったのよ川村あああああああ!!!!!!主役がいない劇とかありえないんだけどっ!!!!!」

新田が思い切り胸ぐらを掴んでくる。

「…っ…うわ、何すんだよ。」

「何すんだよじゃないわよ!!!!!!どうしてくれんの!?あたし、沢嶋さん以外の人にラプンツェル役任せる気ないし、それに、昨日までは沢嶋さん川村が相手じゃなきゃ嫌だって言ってたじゃない!!!!!!どうしてこーなってるの!?」

「…昨日、喧嘩みたいな、感じになったからじゃねえの?」

でもアレだけでここまで怒るかよ、フツー。

女心って分かんねえ。