化学で電子で不思議な彼女

沢嶋は、息を荒げながら、高橋を睨んでいる。

すると、桜田が泣きじゃくりながら高橋にしがみついた。

「もうやめて!!!!光希…!!あたしが悪いの…全部、あたしが悪いの!!」

「美弥!!!!だってこいつは美弥をストーカーして…。」

「はぁ!?」

沢嶋が叫ぶ。

「川村は、ストーカーなんてしてない!!!!何でそんな嘘つくの!?」

再び高橋に飛びかかろうとする沢嶋を何とか押さえ込む。

…うわあ…こいつ、すげえ馬鹿力。

俺を振り払おうと、何度も体をよじりながら高橋を真っ赤な顔で睨む沢嶋は、今にも泣きそうだった。

「ねえ!!!!川村は何もしてない!!!!!謝ってよ!!!!」

沢嶋のその声に弾かれるように、桜田は泣きじゃくりながら高橋を連れて教室から走り去った。

一瞬の静寂。

女子達が『え、何、何だったの?』などとざわつき始める。

すると、沢嶋が俺の腕を振り切ってすごい速さで教室を飛び出していった。

「うぉ!?ちょ、沢嶋!!!!!」

俺も急いで教室を出たけど、沢嶋は相変わらずの俊足らしく、

もう沢嶋はどこにもいなかった。