すると、教室の電気が一気に落ちた。

他のクラスからも

「え?何?停電?」

とかいう声が聞こえる。

え、待って待って。

何この状況!?

まるで凶悪な怪物が蘇る前兆かのようなこの状況は一体何だ!?

女子は沢嶋の方を呆然と見ている。

そりゃそうだな。

いつもあんなにニコニコしてる沢嶋が、今はぴくりとも笑わずに高橋を睨みつけているのだから。

しかもすごい迫力で。

「…沢嶋…大丈夫か?」

俺が声をかけても、沢嶋はやはり無反応だった。

「ねえ!!!!川村が何したの!?」

その声と共に、沢嶋が高橋に掴みかかる。

「っ、おい沢嶋!!!!」

俺が沢嶋の肩を掴んでも、ビクともしない。

「ねえ!?何で!?何でこんなことするの!?どうして!?ねえ!!!」

沢嶋は高橋を壁際まで追い詰めて、

高橋の肩を掴みがくがくと揺らしている。

「川村は悪くないよ!!!!どうしてこんなことするの!?」

沢嶋は顔を真っ赤にして叫んでいる。

「ねえ!!!川村に謝って!!!!川村何も悪くないよ!!」

「俺はいいから!沢嶋!」

なんとか沢嶋を高橋から引き剥がす。