「…だっ…誰がそんなこと。」

「…あたしだよ。美弥。」

「み…っ、雅…?」

桜田の前に、一人の女子が歩み出る。

あれは確か、いつも桜田と仲良くしてた、夕凪 雅だ。

「美弥さ…あたしに沢嶋さん殺すっていっつも話してたでしょ…、あたし、沢嶋さんが心

配で…資料室のそばで隠れてたの。全部見てたよ…。

美弥、おかしいよ!!!川村が助けに行かなかったら、美弥、何するつもりだったの!?

正直引いてたんだよね。…だから、今までのこと全部話した。川村と無理やりキスしたことも全部。」

「……っ!?」

「無理やりキスするとか、ありえないから。マジ!!!」

「マジキモイんだけど!!!」

「嫉妬もここまでいくとね~。」

桜田を罵る声が飛び交う。

桜田は長い髪を垂らしてうつむいている。

「…沢嶋さんも何とか言ってやりなよ!!!!」

「…ええっ!?…で、でも」

沢嶋がうつむく。

「…だって殺されかけたんでしょ!?仕返ししてやりなよ!」

夕凪が、桜田の髪の毛を掴んだ。

「っ痛…!」

「ほら!!!!立ちなさいよ!!!!!」