「……まあ、…一週間あれば…。」

川村が言って、台本を閉じました。

へ!?

まさかの余裕発言ですか!?

私多分一週間徹夜しても覚えられませんよ!!

台本、もっと短くなりませんかね。

相談してみよう。

「あの、新田さ」

「さー!!!主人公と準主人公が決まったし!あとは今日の学活で役決めしよう!あー、よかった!!!」

新田さんは笑顔でそんなことを言ってどっかへ行ってしまいました。

ええ!?

ちょっと待って!

新田さあああああああああん!!!!!

「…うわ、お前の台本、分厚っ。…ははっ、ざまぁ。」

川村が意地悪く笑う。

「…涙出てきた。」

どうするんですかこの台本の分厚さ!!

「……まぁ、主役だからな。仕方ないんじゃね?」

「でも…これはさすがに…無理……だよ…。」

じわっと涙が滲んてくる。

「…ははは。泣きそうだし。」

慰めの言葉はないんですか!?

こうなったら努力あるのみですよね。

台本をめくる。