「……それより、川村…あの、それ、チャコにあげるんだよね?」

「俺が食べるように見える…?」

川村は呆れたようにそう言うと、大根のスティックをチャコの檻に入れました。

パキパキとチャコが大根スティックをかじる音がする。

「…あれ…?ねえ、大根よりニンジンとかのほうが…ウサギ、好きなんじゃない?」

そう言うと川村は、

「…みんなそう思ってる人多いけど、ニンジンはあげてもいいけどあげすぎると肥満になるし、ウサギ自体、そこまでニンジンが好きなわけじゃないから。」

と、野菜スティックの中に入ってるニンジンを指さして言った。

うわ、なにげに詳しい。

「動物、好きなの?…っていうか川村チャコのお世話係じゃないよね?」

「……別に暇だから餌あげてるだけ。」

…意外とこの人いい人なのかも。

川村はそう言うと檻の鍵を開けてチャコを檻から抱き上げました。

チャコは逃げ出そうともせずに川村の腕の中でじっとしています。

…チャコの世話係の人が抱っこすると、いつも逃げ出そうとするのに。

チャコは完全に安心しきって、川村に身を預けてる。