私の時間もすぐに過ぎていき、気づけば高校卒業
そして春には都内の専門学校に入学が決まっていた。
「あんまり、無理はしないようにね」
上京する日の朝、ママが心配そうにキッチンから顔を出す。
「姉ちゃんみたいなバカはどこででもやっていけるでしょ(笑)」
最後だと思うと憎まれ口を叩く妹との別れすら寂しい。
「うん、大丈夫やっていけるよ。」
「…え、なに、ママ!姉ちゃんがおかしい!壊れてる
優しいんだけど!!!!!」
マニキュアを塗ったばかりの手をパタパタさせながら騒がしくキッチンに行く妹。そしてあらぁ、珍しいわね、なんて笑うママ。
それを見て、私は安心する。
パパが外から私を呼ぶ。
「なら、行ってくるね」
18年間育った家を後にし、私はパパが運転する車へと乗り込んだ。
