カラス蝶



確かになんとも言えない切ない気持ちになった。
そして、むーくんの言葉を思い出す

「あ、私、夜宵っていいます。夜に今宵の宵って書いて、やよい」

「可愛らしい名前っすね!これからお隣同士よろしくおねがいします」

望夢くんの明るい髪とたくさんのピアスが揺れる

「よろしくおねがいします」

そして私の髪もふわりと揺れる。

「それじゃあ、また」


望夢くんはそう言ってエレベーターに乗り込んだ
彼が私の人生に深く関わるなんてこの時は思ってもいなかった。