誰もいない廊下に、1人で佇んでいる私。


目の前のプレートには【1ー3】の文字。


アレだ。
よくある「呼んだら入ってきてください」のヤツだ。


教室の中は少しざわざわしている。


転校生ってめずらしいもんね。


緊張とかそういうものは全くない。


早く教室に入らせて欲しいという願いがあるのみ。


今の私は、全国の転校経験者を尊敬できる。


こんな面倒くさいのは金輪際ごめんだ。


さて、今日の晩御飯は何を作ろうか。


そう思った瞬間、


「では、入ってください」


担任の声が聞こえ、
深呼吸を一つしてから、扉に手をかける。