「ばーか。良いに決まってんじゃん」

優しい声はいつもの通り

私を甘やかせる言葉を返す

ニヤケる顔を抑えながら電話を切ると

勢いよくスーツケースを引っ張って

私はこれから始まる

新しい世界への一歩を踏み込んだ