男の子は周りをぐるっと見てから、私を見て
目を丸くさせた。

「君、さっきの子だよね!」

「はい。覚えててくれてありがとーっ」

「今さっきのことだし覚えてないわけないじゃーん♪」


「よろしくなっ!佐々木さん」

「え?名前?」

私が疑問そうに彼に言うと彼は自分のブレザーの
胸ポケットを指さした。

「あー!それかあっ」

私が納得していると男の子が焦った顔で私を見てきた。

「名乗り忘れた。俺は高梨空海っ♪くーかいでいーよ!」

「私は佐々木乃愛!乃愛って呼んでね?くーかいっ」

「私小林みなみ!何とでも呼んで!!!」

私の前の席のみなみちゃんも挨拶をする。

「小林さんと乃愛なっ♪俺さ、クラスちげーんだけど仲いい奴らいてさ、よかったら入学式のあと遊ばね?」

いきなりかーいっ!
私はこっそり突っ込みながらみなみちゃん
次第と笑顔で答えた。

話してる間にチャイムがなって細身で小柄な
女の先生が入ってきた。

先生の自己紹介や出席をとってそのまま男女2列で
並んで体育館に向かった。

隣の男の子は空海で移動中話していた。