「ちょ、おまえっ…」
私の頬には大粒の涙が流れていた。
「ご、ごめん!…ひゃっ」
私の視界が真っ暗になって手をひかれた
「それ、押さえてろよ」
空海に手をひかれたのはすぐわかって
しかも、空海のブレザーを私はかけられている。
止まってほしい涙はまったく止まない
屋上にいき二人きりになった
私は空海から借りたブレザーから顔をだして
空海を見つめていたらふと目があった。
空海は初めて会ったあの頃のように歯を見せて
笑ってくれた。そのとき
私の何かが壊れたのか私もよく分からなかった。
「空海、これクリーニングにだして返すね?」
「いいってそんなの」
私に向けてくれる笑顔、優しさ、声は
みんなにも向けてるんだよね?
「くぅ…かいぃぃ…」
息が続かない荒い息のまま、私はゆった。
「ん?どうした?」
そんな顔で見ないで近いよ、目を合わせるのが
無理そうだったので私は一か八かの行動にでた。
今はその優しさに甘えさせてね…?
ギュッッッ
空海の胸に顔をうずくめた。

