遠くのほうから蛍光色の服を着た何人組かが
自転車にのってこちらに向かってきた。
どこかで聞いたことのある、聞き覚えのある
低く優しい声が聞こえてきた。
「くーかい!」
近くにくるまで気づかなかったが空海は
これからサッカーがあるらしく
サッカー仲間と一緒にいる、らしい
「これからサッカーなんだ、頑張ってね?」
「おう!さんきゅな!」
明るい空海の笑顔を見て私も笑顔で返した。
高校の近くにある広場でサッカーの練習が
あるらしく高校近くの角を曲がっていった。
今日は学校で他のクラスや先輩から
空海は引っ張りだこでろくに話すことが出来なかった。
空海の笑顔を見るだけで…声を聞くだけで…
私は幸せになれる。
少し音楽を聴きながら帰った。
「ただいまー」
玄関を入ったらご飯を作るいいにおいがしたので
リビング行って、お母さんにご飯が何か聞いて部屋に戻った。
制服をハンガーにかけ、薄手のピンクのパーカーに
フリフリのスカパンを履いてベッドに倒れこんだ。
ケータイをいじっているとご飯の用意が出来たと
お母さんに呼ばれて一階におりた。
食事を済ませ片付けをして部屋に戻る。
ケータイが緑に光っていた、この色はメールが
来ているマークだ。
すぐにメールを確認すると送り主はみなみちゃんだった
"翔くん、彼女いるか聞いてみよっかなあ(^_^)?"
私には関係のないことだったがとりあえず返信した。
"聞いてみなよー!でも、彼女いないと思う(^○^)"
翔くんはD組だからなかなか会わない。
だから、会えたときのみなみちゃんは一日中
ニヤニヤしていて女の子だなぁと思う。

