夏空の下をキミと駆けて

声を頼りに辿り着いたのは、公園。


公園といっても、
錆びて使えないような遊具が
いくつかあるだけ。


そこで声の主に出会った。


元気にキャッチボールをしている、


凛とお兄ちゃんの遥樹くんだった。



「なにしてるの?」


公園の土に足を踏み入れた。


「ん?やきゅう」


そう、答えてくれたのが凛。


あたしと凛の初めての会話だった。


「おまえ、みたことないかおやな。」


「うん。きょうひっこしてきた。」


「ふーん。」



そう言ってまたキャッチボールを再開してしまう凛。



「やる?」


遥樹くんがあたしにグローブを差し出してきた。


「えっいいの!?」


遥樹くんは2コ上の小学2年生だった。


その頃すでに野球を始めていた遥樹くん。