夏空の下をキミと駆けて

あ、あたしも準備しないと…。


まだ2人しかいないグラウンド。


会話もなく、
ただ黙々とバットやボール、ベースを出す。


「2年生遅うない?」

なんとかこの空気を打開したかった
あたしが、なんとか思いついた言葉。


「なんか集会のあるて、
隼人さんの言いよらした」



喋りながら、あたしの持っていたベースを
さりげなく持ってくれた凛。

ぁ、ありがと。

あたしの口から出たのはその言葉は
聞こえる聞こえないかくらいの
小ちゃい声だった。


「ぇと、じゃあその集会が終わらすまで
1年だけで練習てこと?」


ベースを代わりに運んでくれた凛に
ついていきながら話を続ける。


「うん。でも他の1年も遅かな」


莉空は追試けどな、と
凛は笑っていた。