夏空の下をキミと駆けて

ん?なんや、やっぱいいって。

「いやーあれは凛に同情するね」

凛が去ったあと、璃子が凛の方を
哀れそうな目で見つめた。


「?なんでよ」


「未結さ、
凛打てー!とかさ、セーフ、セーフ!やったー‼…とか、寝言言いよったよ」


あたしの寝言の真似をしながら
璃子は大笑いしていた。


「えっ!?嘘やろ⁉
あたしめっちゃ恥ずかしい!!」


まさか自分が寝言を言っていたなんて
ぜーんぜん知らなかったあたしは、


急に恥ずかしさが込み上げてきて、

頭を抱えて机にうなだれた。


「し、か、も、
ほとーんど『凛、凛』そればっかり」


机に突っ伏したあたしの耳元で、

小声で璃子がささやいた。


顔を見なくても、
今璃子が最高にニヤニヤしていることは
わかる。



耳を塞いで、目をつぶった。


あー…最悪…ほんて最悪だぁ…。