夏空の下をキミと駆けて

決勝戦ということもあって、
前の試合より観客が少し多かった。


1番の多崎先輩がバッターボックスに入る


いつも元気な声を出して打席を迎える。


ピッチャーが投げた1球目は


「ちょっと未結!!未結!!
起きないとやばいって!!」


…ん?なんで璃子の声が?

てか、あたし起きとるって…。


「ぁ…ほらもうあたし知らんよ…」


今大事な決勝なんやから…。




バシィッ!!


「いったぁ‼」

…へ?あれ?なんで教室?
あたし球場にいたはず…。


「新人戦優勝したとはもうずいぶん前に
お祝いしたよな?
まだ喜びが溢れとっとか?」


衝撃を感じた頭をおさえ、顔をあげる。


……。


世界史の若ハゲ…いや、若萩。


あ〜いつの間にか寝てた……。


新人戦の夢を見てたのかぁーっ。