「なぁーんおばあちゃんみたいなこと
言いよっと!」

璃子がまた肩を叩きながら笑っていた。



でもほんと、ついこの前、
新人戦があったみたいなのに。



_________……


「相澤、今日、お前あれ頼む」


そう、監督が指差した先。


バックネット下の放送席。


「あーはい。わかりました」

あたしが放送を行うわけじゃない。

あたしが頼まれたのは、

審判たちにお茶やスポーツドリンクなど
飲み物を配給する役。


チームの応援に参加出来ないのは
残念だけど、


あたしはこの仕事も嫌いじゃない。



なんでかというと



ここの席はホームベースの後ろにある。
だからここはキャッチャーの視線から
試合を見ることが出来るってわけ。


けっこう特等席だと思うな。

選手を試合中正面から見るって
なかなかできないからね。