「…凛なら出来るよ、絶対」



あたしが無意識のうちに
出していてしまった言葉に、
凛は苦笑いをする。


「未結…なんば根拠に言いよると?」


…やっぱり。


夏の大会のこと、引きずっとる…。



「凛が頑張りよるのは
あたしが1番よく知っとる。
そのあたしが言いよるんやけん、
確実な根拠やろ?」



ーそう、凛の努力はあたしが1番知ってる


いつも夜に走ってることとか
バットに重り辛いほどつけて振ってることとか。…知っとる。


「…未結が言うんなら、そうかもな。
やっぱ未結には敵わんわ、俺」


はは、と首の後ろに手を回して笑った。


「でも凛はすぐ無茶しようとする。
そこが凛の悪いとこ」



そんな凛の鼻先に人差し指で指差すと、

やっぱ、敵わん。とまた笑った。



外灯の光が、徐々に目立つようになった。


夏の夜は、


まだまだ冷めない、冷めてくれない



あたしの恋心そっくりだった。