凛はいつも校門の前の、
ちょっとした石垣に座って待っている。


だいたい凛の方が着替えるのも早い。


「凛、まさかショートやとは
思わんかったね」


歩き始める2人の距離は、
決して近くはない。

並んでは歩くけど、
少し離れた距離を保って歩いている。


「うん。俺もビックリした。
ショートとか練習でちょっとしたこと
あるくらいやし」


暗い道を照らす小さな外灯が、
あたしと凛の影を道に映しだしていた。