夏空の下をキミと駆けて

そのとき、
左の頬に衝撃が走った。


「…っめた!!」


頬に手を当てて顔を上げる。


そこに立っていたのは
アクエリアスを2本持った凛。


今の衝撃はこれだったのか…。


「今購買で買ってきた。やるよ」


暑さのせいかなんのせいか…

まだ紅膨したままのあたしの頬。


「…ん。珍しかね」


ああ〜なんで素直に
ありがとう、って言えないんだろう…。


「ん〜暑かやん?けんまぁ、付き合ってもらいよるお礼て感じ」


…ありがとう。凛。



口では素直になれないから、

せめて心だけでも素直になっておこう。