夏空の下をキミと駆けて

もう、長く一緒にいすぎて
いつからだとか全然わかんないや。


机に突っ伏してみる。


…あ、机ちょっとひんやりしてる。


でも制服に着替えても汗ベタベタしてて
気持ち悪い…。


右のほっぺたを机に押し付けて、
窓からさっきまでいたグラウンドを
見つめる。



__夏の大会で3年生が引退したあと、

あたしは遥樹くんに呼ばれた。



「遥樹くん、どがんした?」


さっきまで泣いていた遥樹くんは、
あたしに向けて
いつもの爽やかな笑顔で笑った。


「未結、これからも凛のことよろしくな」


「えっ?」


あたしが遥樹くんを見上げると、
遥樹くんは少し驚いた顔をした。


「えっ?あ、え、まじで?あーそかそか」

遥樹くんは頭をガシガシとかいた。


「ほ、ほら凛さ、よう無茶しよるけんが…
その、セーブ役さ、未結が。
うん、そーゆーこと」


なんだかうまくまとめて1人で納得してるみたい。

よく分からんけど、まあいいか。


「う、うん。分かっとる」


遥樹くんは、唯一タメ口で喋る先輩だ。


高校に入ってから敬語を使ってみたら、

なんかキモいっちゃけど。笑


と言われ即やめた。