夏空の下をキミと駆けて

「にいちゃん‼にいちゃんとする‼」


そう言った凛に、少し落ち込んだのを
覚えてる。


「大丈夫さ。凛もこの子もそがん下手さ変わらんて。」


遥樹くんにそう言われ、ちょっと悔しそうな凛。


「ちゃんととれよ。」


そう言って凛の手から放たれたボール。



初めて見る野球ボール。


ふわーんとあたしの所に飛んでくる。


でも、捕ろうとした左手のグローブは、
スカッと空を切って
ボールは後ろにポテンポテンと転がった。