確かにそうだけど……
もうちょっとお兄ちゃんが束縛しなかったら……
「分かってるよ」
私は、言った。
「そっか……口出ししてごめんね……」
若葉が言った。
「ううん。私も悪いしさ。若葉も言いたいことあったら何でも言ってね」
私は、言った。
「うん」
放課後―
「由梨、帰ろうぜ」
お兄ちゃんがいつも通り来る。
「うん……じゃあ、若葉バイバイ」
私は、言った。
「うん、バイバイ」
私は、お兄ちゃんと帰った。
「なぁ、由梨今度の日曜日どこ行く?」
お兄ちゃんが言った。
「行かない」
私は、言った。
「何でだよ? 雅人が来ないから? 雅人は、ダメだよ。彼女居るから。まぁ、由梨には俺が居るからいいじゃん」
お兄ちゃんが言った。
えっ、雅人君に彼女?
知らなかった……
早くも失恋かぁ……
「それに雅人の好みは、由梨じゃねぇしな」
お兄ちゃんがさっきからズゲズゲ言った。
「1人で帰るから」
私は、そう言ってお兄ちゃんを置いて1人で走って家へ帰って部屋に篭る。
雅人君の事、本当に好きだったのに……
私は、1人で泣いた。
雅人君の事を諦めて新しい恋をしよう……
そしたら楽になれる……
私は、雅人君を諦めた。

