中身を見るとイニシャルのネックレスだった。

カッコイイ……

「由梨、ありがとな。すげぇ、嬉しい。気に入った。それに比べて陽介は……」

俺は、そう言って陽介の方を見た。

俺は、由梨がくれた物なら何でもいいけどな。

まぁ、よく見たら結構これも可愛いからいいけどな。

「失礼な。俺だってそれ一生懸命選んだんだぞ」

陽介が言った。

「あの私は、プレゼントなくてごめんね……何がいいか分かんなくて……お誕生日、おめでとう」

ずっと俺達のやり取りを見た葵ちゃんが言った。

「いいんだよ。“おめでとう”って言ってくれるだけで。ありがとう」

俺は、言った。

「あの私、ケーキ作ったから持って来るね」

由梨がそう言ってケーキを持って来た。

由梨の手作りケーキ?

そう言えば、俺由梨の作った料理とか食べた事ない。

早く食べたいって言うかそれ全部俺が食いたい。

「俺が全部食べるから陽介達は、食べなくていいよ」

「何だよ。俺達も由梨ちゃんのケーキ食べたいのに……」

皆、由梨のケーキを食べたがってた。

「そうだよ、お兄ちゃん。皆で食べようよ」

由梨が言った。

まぁ、由梨がそう言うなら仕方ないよな。

皆でケーキ食べた。

由梨のケーキは、すごいおいしかった。

だからすぐ食べれた。

食べ終わったら皆でババ抜きとかした。

俺の人生の中で1番楽しい誕生日会だった。

皆が帰って行った。

「由梨、ケーキおいしかった。ありがとな」

「ううん。おいしいって言ってくれてよかった。いい誕生日会になってよかったね」

由梨が言った。

本当に俺に取っていい誕生日会だった。

俺は、この日を一生忘れない。