「俺、トイレ行って来るな。2人で話しとけよ」
俺は、言った。
「由梨、頑張れよ」
俺は、小声で由梨に言ってトイレに行った。
本当は、気になるのに・・・・・・
本当は、2人っきりにさせたくないのに・・・・・・
本当は、2人がくっつくのが嫌なのに・・・・・・
でも、由梨にあんな事言ったからそんな事言えない・・・・・・
俺は、結構長くトイレに居た。
もうそろそろいいよな。
雅人、ちゃんと由梨を誘ってればいいんだけど・・・・・・
まぁ、ちゃんと誘ってるよな。
俺がトイレから戻ると由梨と雅人が楽しそうに話していた。
前より仲良くなってる。
そうしてあげたかった・・・・・・
でも、やっぱり目の前で見るのは辛い・・・・・・
入って行けない2人の空間・・・・・・
2人は、なかなか俺の存在に気づかなかった・・・・・・
俺は、しばらくそこで立ち止まってた。
「あっ、お兄ちゃん」
由梨がやっと俺の存在に気づいてくれた。
「じゃあ、私戻るね」
由梨は、そう言って教室に戻って行った。
俺と雅人は、教室に入った。
「雅人、ちゃんと由梨を誘ったよな?」
俺は、気になって雅人に聞いて見た。
「ああ、誘ったよ。由梨ちゃんっていい子だよな」
雅人は、そう言って笑っていた。
「当たり前だろ」
俺は、言った。
「本当にいい子だよな。かわいいし、話しやすいし」
続けて雅人が言った。
やめろって。
由梨をそんな風に見るなって。
そんな風に見ていいのは、俺だけだ。
由梨を応援してたのに・・・・・・

