「何? 若葉」
私は、言った。
「お兄ちゃんが来るんじゃないの?」
若葉が言った。
悪いけど、今はお兄ちゃんの事何か聞きたくない。
「今日は、いいの。じゃあーね」
私は、そう言って帰って行った。
「おかえりー」
お母さんが言った。
私は、すぐに部屋に行って顔を埋めた。
コンコン――
「由梨、ごめん・・・・・・もうあんな事しないから・・・・・・」
お兄ちゃんが私に謝った。
その言葉、信用出来ないよ・・・・・・
でも、もういいの。
雅人君の事は、諦める。
だってお兄ちゃんの言う通りだもん。
「雅人君の事ならもういいの。私も言いすぎてごめんね・・・・・・」
私は、言った。
「確かに雅人は、今彼女居るけどもしかしたら由梨の事好きになるかもしれないよ?」
お兄ちゃんが言った。
そんな事言われたら期待するじゃん。
雅人君の事、諦めれないよ・・・・・・
「本当?」
私が言うとお兄ちゃんは、「本当だよ。由梨は、可愛いから雅人だって由梨に惚れるって」と言ってくれた。
おせいじかもしれないけど、その言葉が嬉しかった。
お兄ちゃんは、私の事励ましてくれてるんだね。
「うん。私、頑張って見る」
私は、言った。
「おお。頑張れよ」
お兄ちゃんが言った。
なのにお兄ちゃんの嘘つき。
どうして雅人君にあんな事言ったの?

