由梨は、残念そうな顔してた。

そんな顔するなよ。

雅人には、彼女居るんだよ・・・・・・

そんな由梨を見て隣に居た俺は、下を向いて唇を噛んで言った。

「雅人は、彼女居るよ・・・・・・だからあいつの事は、諦めた方がいい」

俺は、静かに呟いた。

「何でそんな事言うの? お兄ちゃんの意地悪」

由梨は、そう言って去って行った。

確かに俺は、意地悪かもしれないけど由梨が好きだからなんだよ・・・・・・

分かってくれよ・・・・・・俺の事を・・・・・・

何でこんなに嫉妬ばかりするんだよ。

何で由梨を好きになったんだよ・・・・・・

でも、由梨を妹として見れないんだよ・・・・・・

由梨を好きになってなかったら楽だった・・・・・・

何でこんなに好きになったんだろうな・・・・・・

あっ、くそ。

俺は、髪をクシャクシャにした。

俺は、教室に戻った。

「健斗、由梨ちゃんと今度どっか行くんだろ? よかったな。頑張れよ」

雅人が言った。

雅人には、悪いけど今俺は雅人の顔なんか見たくない・・・・・・

雅人が羨ましい・・・・・・

由梨に好かれてるから・・・・・・

雅人になりてぇ。

由梨と兄弟じゃなかったらよかったのに・・・・・・

でも、兄弟じゃなくても由梨は俺の事好きじゃないよな?

考えただけでも切な。

俺だけが由梨の事、ずっと女として見てたもんな。

由梨は、俺の事うざい兄しか思ってないのに・・・・・・

由梨を好きになってなかったらこんな事考えてなかったよな。

でも、仕方ない。

由梨の事を好きになったから・・・・・・

俺は、由梨を好きになって後悔は、してない・・・・・・

ただ“兄弟”って言う言葉が俺にとって重かった・・・・・・