私と兄の関係

「何が？」

俺がそう言うと雅人は、「和田をお姫様抱っこした事だよ。皆に冷やかされたのによく出来たな。やっぱ健斗は、すごいわ。俺だったら恥ずかしくて出来ないよ」と言った。

別にすごくないけどな。

ただ、あの時は恥ずかしいって言ってる暇なかったからな。

「別にすごくないよ。確かに恥ずかしかったけど、恥ずかしい言ってる暇ないだろ。確かに雅人は、出来ないかもな」

「いやいやすごいよ。よっ、男前。うん、俺は出来ないな」

雅人が言った。

「確かに男前かもな」

俺がそう言うと雅人は、「自意識過剰だな」と笑った。

放課後―

俺は、由梨のクラスに行った。

由梨は、若葉ちゃんと話していた。

若葉ちゃんに悪かったな……

俺は、若葉ちゃんに手を合わして“ごめん”と言うポーズした。

若葉ちゃんは、手を振って“いいよ”と言うポーズしてくれた。

若葉ちゃんは、本当に優しいな。

俺ももうちょっと空気、読まないとな。

「由梨、今日運動会の練習、あったんだろ？　由梨は、順調か？　俺の所は、順調だけど……」

俺は、言った。

「うん、順調だよ。今日、タイム計ったら前よりタイム上がったんだ。お兄ちゃんのおかげだよ」

いやいや、俺のおかげじゃなくて由梨が頑張ったからだよ。

「タイム上がったんだな。すごいな」

「うん、でも宇野さんに負けたからなー。今日、タイム計ったんだけど私は、6.5秒で宇野さんは、6.2秒だったの。しかも0.3秒差で。すごい悔しいの。絶対宇野さんに勝ちたいの。だからお兄ちゃんも協力してくれる？」

私がそう言うとお兄ちゃんは、「由梨は、あいからわず負けず嫌いだなー。昔から宇野さんとライバルだったんだもな。0.3秒差で負けたから悔しいよな。うん、いいよ。そのかわり付いてこれるか？」

俺がそう言うと由梨は、「もちろん」と言った。

由梨は、あいからわず努力家だな。

俺は、そういう所が好きだ。

だからいつも応援したくなる。

「じゃあ、明日休みだし明日からな。今日は、運動会の練習で疲れてるししっかり寝ろよ」

「うん。お兄ちゃんもね」

由梨が言った。