私と兄の関係

「取り合えず、和田そこに座って。俺が手当てしてあげるから」

俺は、言った。

「えっ、いいよ。私、自分でするから。だから白井君は、練習に戻って」

和田が言った。

そんな事、言われても怪我人ほっとける訳ないだろ。

「怪我人、ほっとけないから俺に手当てさせて。俺、妹居るしそうゆうの慣れてるから。俺の妹、ドジだからよく怪我するんだよな。それで俺、手当てしてやって」

俺がそう言うと和田は、「白井君は、優しいね。じゃあ、お願いしようかな。うん、知ってるよ。よく２人で居るのを見かけるから。白井君って妹さんの事話してると笑顔になってるね。妹さんの事、好きなの？　」と言った。

雅人にも言われたけど、俺優しくないのに……

俺ってやっぱ分かりやすいのかな？

和田にまで俺が由梨を好きってバレたし……

「俺、全然優しくないよ。俺ってやっぱ分かりやすい？　うん、好きだったけど諦めた。妹は、俺の親友の事が好きだから。そして親友も妹の事、好きだから。だから俺が２人の間に入り込めないよ。もう諦めたから気にするなよ」

俺は、言った。

「白井君は、優しいよ。だって今だって私の事、心配してくれたし……やっぱ妹さんの事、好きだったんだね。それって真島君だよね？　でも、まだ妹さんの事好きなんだよね？

和田がそう言うと俺は、「ありがとな。そう言われると嬉しいよ。そりゃー、誰だって怪我人ほっとけないよ。うん、そうだよ。うん、まだ好き。何度も諦めようとしたけど、諦めたって言うだけで……」と言った。

「うん。そっか……」

「ああ、この話はもう終り。白井、ゆっくりして戻って来いな。とにかく今日は、体育は休めばいいから。じゃあ、お大事にな」

「うん。白井君、ありがとう」

俺は、和田に手を振って戻った。

「遅かったな。和田は、大丈夫か？」

先生が言った。

「はい、大丈夫そうです」

「そっか。白井、ご苦労だな。じゃあ、真島達と練習しろよな」

俺達は、また再び練習を再開した。

授業が終わって教室に戻って制服に着替えた。

「それにしても健斗、すごかったな」

雅人が言った。