私と兄の関係

「由梨……」

お兄ちゃんは、私の視線に気づいて私の方に見た。

「どうしたの？」

私は、言った。

「景色、見ないの？」

「うん、見るよ」

私は、景色を見た。

お兄ちゃんとは、いつもこんなに近くに居るのに距離が縮まない……

切ないな……

私は、景色を見てそう思った。

「由梨、帰ろうか？」

お兄ちゃんが急に言い出した。

「えっ、どうして？」

「だって由梨。悲しそうな表情をしてたから……」

お兄ちゃんが言った。

えっ、私が悲しそうな表情してた？

お兄ちゃんは、気づいたんだ……

「ううん。景色、見よ」

「やっぱ帰ろ。練習するし、あまり疲れたらいけないから」

「うん……」

私は、静かに頷いた。

私とお兄ちゃんは、家に帰った。

帰り終わったら私は、部屋に行った。

やっぱこのままだといけないよね？

やっぱり私、自分の気持ちをお兄ちゃんに伝えた方がいいかな？

前に若葉に言われた。

「自分の気持ちを相手に伝えないと伝わない事もあるんだよ」

確かにそうだ。

お兄ちゃんは、私の気持ちに気づいてない……

決めた。

私、文化祭の時に告白する。

文化祭には、あるシシグナルがあるから。

木の下で告白したら両思いになれるって言うシグナル。

だから文化祭の時にお兄ちゃんを木の下で呼び出して告白するんだ。

私は、決心した。