「そうだろ。あれでも頑張ったんだからな、俺」
俺は、言った。
「ハハ。自分で言うなよ」
雅人は、笑いながら言った。
俺は、雅人の方をジーっと見た。
雅人は、優しいし眼鏡はかけてるけど長身でカッコイイからよくモテる。
由梨が見たら雅人の事は、どう思うだろうか?
でも、雅人には彼女が居る。
どっちにしろ由梨が雅人を好きになっても雅人とは、結ばれない。
俺は、安心した。
でも、雅人ならまだいい気がする。
俺の親友だし、いいやつだから。
他の男に取られるなら何100倍マシだ。
でも、心の中では由梨を雅人にも取られたくないと思ってる。
俺って本当にダメだよな。
「健斗、さっきから何で俺の顔ばっかり見てるんだ?」
雅人が言った。
「ああ、何でもない」
俺は、言った。
休憩時間になって俺は、すぐに椅子から立ち上がって急いで由梨のクラスへ行った。
1秒でも長く由梨と一緒に居たいから。
案の定……由梨は、親友の若葉ちゃんと話してる。
あっ、若葉ちゃんが俺に気づいた。
「由梨、お兄ちゃんが来てるよ」
若葉ちゃんが由梨に言った。
若葉ちゃんは、きっと気を遣ってくれたに違いない。
ありがとう。若葉ちゃん。
俺は、若葉ちゃんに感謝した。
「何? お兄ちゃん」
由梨が言った。
また、冷たいな。
「私、お兄ちゃんのクラスに行きたい」
由梨が突然言った。

