「居るよ……すぐ近くに……」
俺は、顔を真っ赤にしながら言った。
まるで告白のように……
これだけならいいよな?
由梨は、鈍感だから気づかないけど……
「へぇー、お兄ちゃん好きな人居るんだ。その人って誰? 教えて」
由梨が張り切って言った。
「内緒」
俺は、笑って言った。
「そっか。じゃあ、お兄ちゃんの好きな女の子のタイプは?」
由梨が俺に聞いた。
「茶髪でストレートで小柄で色白の女の子」
俺は、由梨を見ながら言った。
そっ、俺の好みは全部由梨。
これでも由梨は、きっと気づかないよな?
「そうなんだ。お兄ちゃんにちゃんと好きな人が居て安心したよ」
由梨は、言った。
安心?
やっぱり由梨は、俺の事兄としてしか思ってないんだな……
兄弟って辛いな……一緒に居れるのは、嬉しいけど……
学校に着いた。
「じゃあ、またな。寂しいけど……休憩時間に来るからな」
俺は、そう言って自分のクラスに行って席に着いた。
「おっ、健斗」
俺の親友の雅人が言った。
「よっ」
俺も返した。
「健斗の妹見たよ。由梨ちゃんだよね? 可愛いよね」
雅人が言った。
「何で雅人が知ってるんだよ?」
俺は、言った。
「実は、俺後ろに言ったんだ。お前、由梨ちゃんにアピール結構してたな。でも、由梨ちゃんは全く気づいてないけどな。まぁ、健斗にしてはすごいな」
雅人が言った。

