そんなある日
今日もいつものように
病室へ向かっていると
勇太のお母さんと会った
「礼奈ちゃん、ちょっと
お話しできる?」
「はい…どうしました?」
久しぶりに見たお母さんも
少し…いやかなり やつれていた
「勇太の事なんだけどね…」
「はい…」
「もうあの子長くないって…」
長くない?長くないってつまり
「勇太、死んじゃうんですか?」
恐怖で声が震えた
「そうなの…
でも勇太はその事知らないから」
死ぬ?
勇太が死ぬわけないじゃん
なにいってるの
死ぬという言葉がエンドレスで
頭の中を流れる
涙も出てこない

