＊優大side＊
〝好きにならないかもしれない〟
先輩はそう俺に言った。
１ヶ月お試しで付き合ってみて、それでも駄目ならしょうがない。
潔く諦めようと思う。
……でも。
「でも逆に、好きになるかもしれないですよ？」
「……」
やってみなきゃわからない。
何も行動しない内に諦めるのだけは絶対に嫌だ。
先輩が俺を、恋愛感情で好きになってくれたらどんなに嬉しいことだろう。
俺のことを好きになってくれる可能性が少しでも。
１％でもあるなら。
俺はその可能性に賭けたい。
「１ヶ月だけでいいんです。
お願いします。」
俺は先輩に頭を下げた。
「ちょ、優大くん…！
頭あげて…？」
まさか俺が頭を下げると思っていなかったのか、少し上擦った声で先輩は言った。
