*栞side*


「俺、先輩のこと好きみたいです。」


一瞬思考が停止した。


「…え?」


「だからぁ 栞先輩のことが好きなんですってば。」


何回も言わせないでくださいよ。

そう言って苦笑するのは目の前に座ってる後輩くん。

いや、言われたの2回だけだし。

そんなことを内心思いつつ、今だに混乱状態の頭をフル回転させて聞く。


「あの優大くん?」


「何でしょう、栞先輩?」


「何で今、なのかな?」


今は空き教室で放課後に先生に頼まれた雑用を、2人でやっているところで。

プリントを数枚にまとめてホチキスで留める。

これを何回も繰り返す。

優大くんが私を好きだと言い出したのは、プリントが残り少なくなってきて終盤に差し掛かったときだった。