狼男〈オオカミオトコ〉

近くに見えたはずのお家。
意外と歩くと遠かった。

死後の世界って遠近…なんちゃら……

そうだ!遠近感覚!もおかしくなるの?


お家にやっとのことで…多分、校庭一周分くらい歩くと着いた。


外の壁は月と同じ緑色。
屋根も緑色。窓ガラスも緑…


だぁー!
この世界には月といい、芝といい、家といい、緑しかないの⁉︎

「るなこが好きなのはピンクなんだけどっ!」


そんな文句を言いながら
コンコン、と緑の扉をノックをしたけど、返事はなかった。


扉を押してみてもビクともしない。

これでどうだっ!

るなこが扉を引くと、

ギィ…と不気味な音を立てて…ではなく、


リンリン、と鈴の音がして、意外と軽くその扉は開いた。



「こんにちは。誰か居ませんかー?」

うわっ、真っ暗!


ミシッ


床軋むしっ!
扉はそんなオンボロじゃなかったのに…



「…ようこそ」


突然、声がした。


「キャー⁉」

今、後ろから声が…

「マビカカイへ」


「ギィヤァー」


「アタシの獲物!アタシの!」



な、に?誰?
声はするけど誰も居ない…

というか暗くて何も見えない。